『マイクロマネジメント』という言葉があります。
とにかく部下のやることを細かに確認してマネジメントしていくこと。一挙手一投足に意識が向くし、こまめに報告がないと落ち着かない。

落ち着かないから、つい「これはできてる?」「あれはやった?」と口を出してしまう。
部下が鬱陶しいなぁと思っていることは何となく感じているけれど、言わずにはいられない。
40代に入るまでは完全にこのタイプ。40代に入ってからはマイクロ度合いが少しだけ落ち着いたけれど、基本的には何でも把握しておきたかった…というのは変わらなかったような気がします。

それとは逆に部下に丸投げというタイプもいますよね。
「あっ、好きにやっておいていいよ」と言って、その後は全然気にするそぶりなし。細かいことは気にせず、結果だけ出してくれたらそれでOK

だから途中で相談されても、「全然わからないから、自分たちで考えてやって」となってしまいがち。スムーズにすすんでいる間は良いけれど、方向転換があったり軌道修正しなくてはいけなくなったりすると、破綻する可能性が高くなります。

マイクロマネジメントをしがちな上司
丸投げをしてしまいがちな上司

どちらもメリット/デメリットがあって、本当はマイクロマネジメントでも丸投げでもないやり方ができると良いのだけれど、言うは簡単だけれど実際にやるのは難しい。

自分ではマイクロマネジメントをしているつもりはないけれど、他者から見るとめちゃくちゃマイクロマネジメントをしている人もいます。
逆に自分では部下のフォローをしつつ、仕事を任せていると思っているけれど、他者から見るとただ丸投げしているだけという人もいます。

だからまずは、自分自身がどちらのタイプなのか?を知ることって、すごく大切なことです。

仕事以外の場面を思い浮かべてみる

とはいえ、自分ではそんなつもりはない…と思う人は、仕事以外の場面を思い浮かべてみるとわかりやすいんじゃないかな。

例えば、旅行することを想定したらどうでしょう?

予定をきっちり立てて、何時の電車に乗って、どこの観光をして何を食べるのか、全部きっちりと決めないと気が済まない。その予定から外れるとイライラしたり、焦ったりすると言う人もいるかもしれません。

反対に「旅は気ままに」とばかり、何ひとつ決めず、なんなら一緒に旅行する人にお任せ〜と言う人もいるかもしれません。

もちろん旅行の予定をきっちり立てるからと言って、必ずマイクロマネジメントなのか?といえば、そうではないこともあるはず。でも、全く関係ないと言うことはないと思っています。
仕事の自分とプライベートの自分を分けていると言う場合でも、綺麗に分かれるわけじゃありません。どちらにも共通するところ(特に自分が大事にしたかったり、恐れていたりするところ)があるはずです。

私自身を振り返ってみても、乗る電車、見学する時間までもキッチリと決めていた時は、部下のやり方が気になってイライラしていることが多かったです。

逆に「重要なところだけ決めて、あとは当日の気分次第」とゆるっとできるようになってからは、「要点さえ押さえてくれたら、あとは好きにしていいよ」と思えるようになった気がします。むしろ、ちょっと丸投げに近くなっていたかもしれない。

仕事だけの視点で見てしまうと、なかなか気づきにくいことでも仕事以外の時ってどうだろう?と見てみると、案外仕事でも同じことをやっていることに気づきますよ。