コンサルタントっぽい振る舞い
研修講師っぽい振る舞い
コピーライターっぽい振舞い

仕事での経験値が増えれば増えるほど、「〜っぽい」振る舞いが自然と出来るようになります。周りからも「コンサルタントっぽいよね」とか「講師っぽいよね」なんて声をかけられるようになったり。

先日いつもはコンサルタントとして一緒に仕事をしている仲間と、とある企業研修の講師をやったところ、

「ちいさま、めちゃくちゃ企業研修講師っぽいよね。すごく自信を持って喋っているように見えた」

と言われ、なるほどな〜と思ったところです。
自信がないところからスタートしているから、「〜っぽい」と言われたり、自分が自然と振る舞えるようになると、なんだか誇らしい気持ちになるのは、私が単純だからでしょうか…

きっと私と同じように感じる方もいらっしゃると思うのです。

「〜っぽい振舞い」って自分に自信が持てるようになるし、相手からも、その職業として認知もされるから、良いことばかりのように思いがちですが、実はそこに落とし穴があるように感じます。

「〜っぽい」事こそが正しいことのように見えてくる

最近経験したことなのですが….

ある方に仕事をお願いしたところ、仕事の仕方が少し乱暴に見えたのです。

パッと見には綺麗に整えられているし、一見要件を満たしているようにも見えます。まさに「〜っぽい」仕事。
でも私は、「目的を考えたら、こうはならないはずなのにな」「本当にこれで良いと思っているのかな?」そんな風に感じました。

そのことを率直にフィードバックしたのですが、実は同じようなことをすでに何度かフィードバックしていて。
こちらが依頼側の立場なので、もちろん修正はしてくれるのです。

でも次にお願いすると、また同じようなことが起こり、同じようなフィードバックがなされる。
この繰り返しを続けています。

いい加減に仕事をしようと思っているわけではない、というのはわかります。
ただ「こういう仕事だったら、こうするのがいいよね」「私の過去の経験では、こうした方がそれっぽい」という思いがあるような気がするのです。

そう、まさに「〜っぽさ」の落とし穴!

仕事の経験を積めば積むほど、慣れれば慣れるほど、この落とし穴にハマってしまう。
たくさんの成功体験があるからこそ、「これが正しい」と思い込んじゃうのだと思います。

だからフィードバックを受けて、その場は対応したとしても「その場限り」になりやすいし、なんなら「あのクライアントはうるさい」という意識にも繋がってしまう気がします。

そして自分が落とし穴にハマっていることに気づかない。とっても怖いことだと感じます。

同じようなフィードバックを受ける時は、落とし穴にハマっているサインかも!

「〜っぽさ」の落とし穴。

経験を積めば積むほど、落とし穴にハマる危険が高い!となると、管理職やベテランと言われる人ほど気をつけないといけないですよね。

私も「そういえば…」と自分を振り返って反省することが多々。
ついつい「コンサルっぽく見えるには」「コンサルっぽい資料って…」と、相手の目的や相手の望んでいることが置き去りになったまま、仕事を進めてしまうことがあります。

自分の見え方や見せ方、相手に「〜っぽいと思ってもらいたい」という意識のボリュームが大きすぎるんですね。
特に仕事が立て込んでいる時、その中にどっぷりハマっている時に、自分を「〜ぽく」見せようという気持ちが強くなりすぎるようです。

だからこそ忙しくてハマってしまいそうな時ほど、自分や自分の仕事を俯瞰してみる機会を意図的に作る必要があるなと思います。

自分で気づければいいけれど、ハマっている時ほど気づきにくい。
同じようなフィードバックを受けている時や、「なんで!こっちの方が絶対に”〜っぽくて”いいのに!」という気持ちが自分の中にフツフツと湧き上がってくる時は、落とし穴にハマっているサインかもしれません。

管理職やベテランこそ、率直にフィードバックをしてくれる第三者を見つけよう

その時に一度、立ち止まって「あれ?私、落とし穴にハマってない??」と考えるクセをつけるだけでも、少しずつ「〜っぽさ」の罠にハマることが減るんじゃないかな。

第三者の視点を借りるのもおすすめです。
どうしても自分を客観的にみる、俯瞰してみるというのは難しいもの。

そういう時に第三者(できれば利害関係がない人の方が、受け止めやすいかも…)の視点からフィードバックをもらいながら、一緒に立ち止まったり考えたり、次への一歩を見守ってもらったり…とすると、前に進みやすくなるかもしれません。

職場での立場が上がったり、ベテランになったりすればするほど、「自分は一人でできる」「自分は大丈夫」と思いがちだけれど、そんな人ほど自分自身をそのまま受け止めて、率直に対話してくれる相手を持つことって大切なことだと思っています。