
人間の価値観は9種類
このことを知っているか、知らないかで
ビジネスも、プライベートも、あなたの人生は天と地ほどの差があります。
「なんであの部下は指示通りに動かないんだ?」とか、「クライアントと話が噛み合わなくてストレスがたまる…」「良かれと思ってやってあげたのに、逆に怒られた」そんな経験はありませんか?
私はめちゃくちゃあります。そのたびに、「なんで、あの人たちは分かってくれないんだろう…」とイライラしたり、モヤモヤしたり。
実は、それらの原因は「価値観の違い」にあるんです。
価値観の違いを放っておくとどうなる?
この価値観の違いを知らないと
・クライアントとの認識ズレが積み重なり、気づけば大口契約が白紙に
・SNSで著名人の発信を真似をしても、全く刺さらず投稿がストレスになる。
・子どもが言うことを聞いてくれず、叱ってばかりの自分にうんざりする
・「なんで分かってくれないの?」とパートナーにイライラし、顔を合わせれば喧嘩ばかり
仕事でも、プライベートでも、人生がガタガタになってしまいます。
私も思い当たることが多すぎて….子どもはいないのですが、会社員時代の部下だったり、仕事仲間だったりにイライラしていたことが多く、直接言わないまでも表情や態度には出ていたんじゃないかと思います。あるいは自分の内側にイライラを溜めて、自分自身が疲弊してしまったり。
これだけ見ると「人間関係って、難しい」「自分は人付き合いが苦手」「マネジメントなんてできない」って思いますよね。
でも安心してください。
単に、あなたと価値観が違っただけで、それを理解すれば、誰でも人間関係や人付き合い、マネジメントが上手くなります。しかも、その価値観は、たったの9種類です。自分と相手が違うということを理解するだけで、ぐーんと楽になれるのです。
エニアグラムって何?

エニアグラムの各タイプの詳細を解説する前に、エニアグラムとはそもそも「何か?」を簡単に解説します。
エニアグラムはソニーやアップル、サイバーエージェント、アップルなど国内外のさまざまな企業で利用されている性格タイプ論です。仕事以外にも、子育てやパートナーシップ、友人との付き合いにも使えます。
エニアグラムはギリシャ語で「エニア=9つの」「グラモス=図」を合成した言葉で、人の価値観を9つのタイプに分けた性格タイプ論です。
エニアグラムは、人の動機を9つに分け、その動機によってタイプが異なると考えます。その動機を一般的には「価値観」と呼ぶので、人の価値観は9つだということです。
ここでいう動機とは単に「面白そうだったから」とか「素敵だなと思ったから」という表面的なものではなく深層心理に隠されているものを指します。

氷山の上の部分は普段発している言葉や、実際の行動を表します。自分からも他者からもわかりやすい部分ですね。一方で氷山の下の部分は海の中に隠れているので地上からは見えません。
この氷山の下に隠れているものをエニアグラムでは動機=価値観と捉えています。
他に有名なタイプ論としてはMBTIやDISCなどがあり、実際に診断したことがある!という方も多いかもしれませんね。
実は私もMBTIやDISCは会社員時代に診断したことがあります。では、他のタイプ論とエニアグラムはどのように違うかを表にしたのがこちらです。
項目 | エニアグラム | MBTI | DISC |
分類の基準 | 「内面の動機」 (なぜそう考え、行動するか) | 「認知スタイル」 (どう情報を受け取り、判断するか) | 「行動パターン」 (どう振る舞うか) |
タイプ数 | 9タイプ | 16タイプ | 4タイプ |
タイプの変化 | タイプは変わらないが、成長の方向やストレスの方向等がある | タイプは変わらない | 状況や役割によって変化する |
代表的なビジネスの活用場面 | 組織文化診断 適材適所の配置 チームビルディング リーダーシップ開発 | チームビルディング 適材適所の配置 リーダーシップ開発 | 営業・交渉スキル向上 マネジメント改善 コミュニケーション改善 |
エニアグラムは 「なぜその行動をとるのか?」 という根本的な価値観にアプローチできるため、自己認識や他者理解はもちろん、組織の成長戦略やリーダーの意思決定に活用しやすい のが特徴です。
エニアグラムの9つのタイプ
タイプ1:「改革する人」 キーワード:責任感、道徳、正義感
このタイプの人は、「正しくありたい」「理想を実現したい」 という動機を持っています。ルールや道徳を重視し、高い基準を自分にも他人にも求めるため、誠実で信頼される存在 です。細かい部分までこだわり、ミスを減らす努力を惜しまないので、質の高い仕事をする人が多いのも特徴
一方で、自分にも他人にも厳しくなりがちで、「こうあるべき!」と理想を押し付けすぎてしまうことも。また、自分の基準に達していないと感じると、達成感を得られず、「もっとやらなきゃ」と満足できない こともあります。
タイプ1って例えばこんな人
とにかく「正しくあろう」とする姿勢がすごい!
例えば、マニュアルがあいまいだったら、「これでは基準がバラバラになる!」 と自ら修正したり、仕事の納期が迫っていても、クオリティを下げることを許さない徹底ぶり。
逆に、ミスをするとめちゃくちゃ自己嫌悪に陥ったり、他人のズルやルール違反を見逃せずにイライラすることも。
「ちゃんとするのが当たり前でしょ?」 と思うことが多いなら、タイプ1の可能性が高いかもしれません!
タイプ1の口癖あるある
- それって正しいの?
- ルールを守るべき
- もっとちゃんとやろう
これらの口癖があったら、タイプ1の可能性があります。
タイプ2:「助ける人」 キーワード:自己犠牲、世話好き、人のために生きる
このタイプの人は「人の役に立って愛されたい」という動機を持っています。自分のことよりも相手のこと。困っている人がいたら手を差し伸べずにはいられないし、共感力も高いので人望が厚く、頼りにされる人です。
一方で自分よりも相手を優先しすぎるため、自分の希望がわからなくなってしまったり、過度なおせっかいで相手を依存させてしまったりする側面もあります。
タイプ2って例えばこんな人
実は私自身がタイプ2なのですが、とにかく人を優先しがちです。例えば私が8年前にエニアグラムを学び始めたのも、自分のためというよりも「この考え方を学んだら、人間関係やキャリアに悩んでいる自分のクライアントに対して、もっと成果を出せるはず」と思ったからなんです。
あとは頼まれると「No」と言いづらく自分の睡眠時間を削って、他者から頼まれたことをやることもよくあります。
逆に困るのが「何をしたい?」と聞かれること。「あなたは私に何をして欲しいと思っている?」と聞き返すこともあるぐらい苦手です。
あぁ、わかる!!という方はタイプ2かもしれません。
タイプ2の口癖あるある
- どうしたの?
- 〜してあげたい
- あなたの為を思ってやってる
これらの口癖があったら、タイプ2の可能性があります
タイプ3:「達成する人」 キーワード:成功志向、競争心、目標達成、成果主義
このタイプの人は、「成功したい」「結果を出したい」 という動機を持っています。
どんな環境でも目標を見つけ、効率よく成果を出すために動くので、周囲からは「デキる人」と見られやすい です。
ビジネスでも、最短で成功する方法を考え、「今、何が求められているのか?」を瞬時に察知する能力 に長けています。
一方で、結果を重視しすぎて、自分の本当の気持ちを置き去りにしがち。また、周囲の評価を気にするあまり、「完璧な自分」を演じてしまい、本音を出せなくなる ことも。
タイプ3って例えばこんな人
いわゆる「仕事ができる人」が多いです。
とにかくスピードが速い!
例えば、新しいビジネスを始めると決めたら、すぐに市場調査をして、「これが売れる!」と判断したら、最短ルートで商品を開発し、すぐに販売。
逆に、成果が見えないとやる気を失いがちで、「やる意味ある?」 とすぐ判断する傾向もあります。
「結果がすべて!」「どうすれば効率よく成功できる?」 と考えがちなら、タイプ3の可能性大!
タイプ3の口癖あるある
- それって意味ある?
- 結果を出さないとダメでしょ
- もっと効率よくやろう
これらの口癖があったら、タイプ3の可能性があります
タイプ4:「個性的な人」 キーワード:感受性、独自性、自己探求、芸術的
このタイプの人は、「自分だけの特別な存在でありたい」「深い感情を大切にしたい」 という動機を持っています。
人と違うことに価値を感じ、オリジナリティを追求する ので、芸術家やクリエイターに多いタイプです。
また、感受性が豊かで、深い感情を表現できる ため、共感力が高く、人の心に響くものを生み出す力があります。
一方で、「自分は他の人と違う」「誰も本当の自分を理解してくれない」 と思いやすく、孤独を感じることも。また、気分の浮き沈みが激しく、感情に振り回されることもあります。
タイプ4って例えばこんな人
とにかく「他の人と違うこと」へのこだわりが強い。
例えば、みんなが一般的な方法でビジネスをする中、「自分らしいやり方でなければ意味がない」 と独自の道を探し続ける力はピカイチでした。逆に、「普通すぎる」「ありふれている」 という理由だけで、納期通りに仕事が終わらなくて困ることも。
「ありのままの自分を表現したい」「みんなと同じは嫌!」 と思うなら、タイプ4の可能性あり!
タイプ4の口癖あるある
- どうせ誰も私を理解してくれない
- 自分らしく生きたい
- 他の人と同じなんてつまらない
これらの口癖があったら、タイプ4の可能性があります
タイプ5:「調べる人」 キーワード:知識、分析、論理的思考
このタイプの人は、「知りたい」「理解したい」 という動機を持っています。とにかく深く考えることが好きで、専門分野を極めることに喜びを感じる人が多いです。
情報収集力が高く、感情に流されず論理的に考えられるので、専門家や戦略家として活躍する人も多いですね。
一方で、他人と感情を共有するのが苦手で、「人と関わるのはエネルギーを使う…」 と感じることも。
また、情報を集めることに夢中になりすぎて、なかなか行動に移せないこともあります。
タイプ5って例えばこんな人
新しい分野に興味を持ったら、徹底的に調べ尽くし、どんどん知識を深めていく人。でも、「これについてどう思う?」と聞くと、「もう少しデータが足りないから何とも言えない」 と慎重になることも。
情報はたくさん集めるのに、いざ行動の段階になると二の足を踏むことがく、できるだけエネルギーを消耗したくないという思いもあるので、腰が重たくなりがちです。
タイプ5の口癖あるある
- それってエビデンスある?
- もっと調べてから判断しよう
- まだ情報が足りない
これらの口癖があったら、タイプ5の可能性があります
タイプ6:「忠実な人」 キーワード:責任感、安心、信頼、組織への忠誠
このタイプの人は、「安全でいたい」「信頼できるものに守られたい」 という動機を持っています。
慎重で危機管理能力が高く、リスクを予測して問題を回避するのが得意 です。
また、信頼できる人や組織を大切にし、忠誠を尽くすので、責任感があり、チームの支えになる存在 でもあります。
一方で、心配性で疑い深いところがあり、「本当にこれで大丈夫?」 と不安になりやすい。また、権威を信じるタイプと、権威を疑い反抗するタイプの2パターンがあり、組織に対する態度が異なるのも特徴。
タイプ6って例えばこんな人
とにかく慎重派で、「最悪のケース」を考えるのがめちゃくちゃ得意!
例えば、何か新しいことを始める前に、「もしこれがダメになったらどうする?」「リスクヘッジはどうする?」 と、あらゆるパターンを想定して準備するし、最後まで責任を持ってやり遂げるので安心して仕事を任せることができる人です。
でも、考えすぎて決断が遅くなったり、行動を起こすのに時間がかかるので、新しい仕事や突発的な出来事はあまり向かないかもしれません。
「慎重に進めたい」「ちゃんと安全確認してから行動したい」 と思うなら、タイプ6の可能性大!
タイプ6の口癖あるある
- それ、本当に大丈夫?
- もし◯◯だったらどうする?
- 信頼できる人についていきたい
これらの口癖があったら、タイプ6の可能性があります
タイプ7:「熱中する人」 キーワード:ポジティブ、好奇心旺盛、自由、楽観的
このタイプの人は、「楽しいことをしたい!」「自由に生きたい!」 という動機を持っています。好奇心旺盛で、新しいことに次々と挑戦し、周囲を巻き込んで盛り上げるのが得意。
また、未来志向で「次に何をしよう?」と考え、ワクワクすることを追い求め続けるエネルギッシュなタイプ です。
一方で、飽きっぽく、一つのことに集中し続けるのが苦手。
また、嫌なことやネガティブな感情を避けるため、楽しいことで誤魔化してしまう こともあります。
タイプ7って例えばこんな人
とにかくポジティブで、どんどんアイディアが湧き出てくる人!フットワークが軽く、「やる」と決めたらすぐにスタートさせるのですが、興味がコロコロ変わるので、「昨日まで熱中してたのに、もう次のことに夢中…」 なんてこともしょっちゅう。
上司がタイプ7だと、もしかすると部下は、上司の広げた風呂敷を毎回、必死で畳んでいくというのがお約束になるかもしれません。(実は私の昔の上司がタイプ7で、まさにこうだったのです…)
「新しいことが好き!」「楽しくないと続かない!」 と思うなら、タイプ7の可能性あり!
タイプ7の口癖あるある
- なんとかなるって!
- 次、何やる?
- それ、面白そうじゃん!
これらの口癖があったら、タイプ7の可能性があります
タイプ8:「挑戦する人」 キーワード:カリスマ性、パワフル、リーダーシップ、支配欲
このタイプの人は、「自分の力で道を切り開きたい」「支配されるのは絶対に嫌」 という動機を持っています。圧倒的なカリスマ性と行動力を持ち、どんな状況でもリーダーシップを発揮する タイプです。
決断力があり、リスクを恐れずに行動できるので、起業家や経営者に多い のも特徴。
一方で、強すぎるリーダーシップが周囲を圧倒してしまい、「怖い人」と思われることも。また、弱みを見せることを嫌うので、感情を抑え込みすぎてしまうこともあります。
タイプ8って例えばこんな人
もしかするとこれまでのリーダーはタイプ8的な人が多かったかもしれません。とにかく決断が速く、迷いがありません。
例えば、新しいビジネスの話があれば、「それ、面白い。やるか!」と即決するし、炎上案件やトラブルなど困難な場面にぶつかる時ほどエネルギーが湧いてくる。
でも、自分が正しいと信じていると、部下の意見を聞かずに突き進んでしまうことも。
「自分が決める」「ついてこれないならいいよ」と思うことが多いなら、タイプ8の可能性が高い!
タイプ8の口癖あるある
- 自分についてこい
- 迷ってる暇があったら行動しろ
- 弱いやつは生き残れない
これらの口癖があったら、タイプ8の可能性があります
タイプ9:「平和をもたらす人」 キーワード:穏やか、調和、争いを避ける、協調性
このタイプの人は、「みんなと仲良くしたい」「平和でいたい」 という動機を持っています。どんな状況でも対立を避け、周りと調和を取ることを大切にする ため、温厚で親しみやすいタイプ。また、相手の気持ちを敏感に察知し、場の空気を読んでバランスを取るのが上手い のも特徴です。
一方で、自分の意見を主張するのが苦手で、「とりあえず相手に合わせておこう…」 となりがち。また、決断を先延ばしにしやすく、「まあ、そのうち…」 と動かないこともあります。
タイプ9って例えばこんな人
とにかく穏やかで、どんな人とでも上手くやれる!
例えば、会議で意見が対立していても、「まあまあ、どっちの意見も一理あるよね」 と場を和ませるのが上手い。
タイプ9の近くにいると、穏やかな気持ちになり皆に慕われる人です。でも、決断を求められると、「どっちでもいいよ」 と言って、なかなか結論を出せないことも。
「争いは苦手」「みんなが平和ならそれでいい」 と思うなら、タイプ9の可能性が高い!
タイプ9の口癖あるある
- どっちでもいいよ
- みんな仲良くしようよ
- まあ、なんとかなるでしょ
これらの口癖があったら、タイプ9の可能性があります
まとめ
エニアグラムは、単なる性格分析ではなく、「なぜその考え方や行動をするのか?」 という深層心理に迫るツールです。
あなたが 「あ、これ自分かも!」とか「あのクライアントはこういう特徴があるな」 と思うものがあれば、それがあなたやその人のタイプかもしれません!